今日はお気に入り書籍紹介
児童文学『エンデのモモ』って知ってますか?
ひとりの女の子が世界をすくっちゃうんだけど、
その方法が、ただ相手の話を聴くってことなんですよね。
モモは小さな女の子で、物語には時間泥棒という悪者が出てきます。
時間泥棒たちは、みんなに【効率重視、合理化で時間を節約】したら、お金の貯金みたいに、貯めた時間を後で使えますよと、銀行マンのように勧めます。
ところが、時間の貯金を勧められるままにやった人たちは、せかせかと急ぐばかりで、ゆったりした時間をもつことなく、笑顔はなくなり、冷たい人間になっていきます。
時間泥棒たちのたくらみは、計画通り進んでいき、子供たちは親から離れて、施設へ預けられ、親たちはさらに時間を節約し、人間関係は表面だけで、乾いた潤いのない情報だけのやりとりになって行きます。
ところが、たった1人だけ時間泥棒の思い通りにならない人間がいました。
「わたしは何もいらないの。みんながいて、今がしあわせなの」
モモは、ただやって来た人の気持ちに耳を傾けていました。
「あなたはどうしてそう思うの?」
「だからあなたはそう感じたのね」
モモに話を聞いてもらった人たちは…いいえ、モモに【気持ち】を聞いてもらい、自分の【気持ち】を見つけた人々は、だんだん増えて行きます。
そして、とうとうモモは滅びかけていた世界をたった1人で救ったという物語です。
モモはただの小さな女の子でした。
『モモ』(Momo)は、ドイツの作家ミヒャエル・エンデによる児童文学作品。1973年刊。
1974年にドイツ児童文学賞を受賞した。各国で翻訳されている。
特に日本では根強い人気があり、日本での発行部数は本国ドイツに次ぐ。