※原文↓(そのあとに翻訳してあります。)
近くして見難きは我が心、細にして空に遍ずるは我が仏なり。我が仏、思議し難し、我が心、広にして亦た大なり。
自心に迷うが故に、六道の波、鼓動し、心原を悟るが故に、一大の水、澄静なり。
澄静の水、影、万像を落(うつ)し、一心の仏、諸法を鑒知したまう。
衆生、此の理に迷うて、輪転して絶うる能わず。蒼生、太だ狂酔して、自心を覚ること能わず。
訳↓
すごく近いのに見えないのは自分の心。
細やかで世界全体に行き渡ってるのは自分の仏。
私の仏は、考えで測れない。
私の心は、広く、そして、無限大。
自分の心は、本来、そのように広大なもの。
それは仏心そのもの。
それをわからないから、六道輪廻の波が鼓動する。
心のみなもとを悟るから、
一つの大きな水は、澄んで静かとなる。
その澄んで静かな水の、その水面(みなも)には、
ありとあらゆるものの影が映り、
この一つの心の仏は、全部そのままに知っている。
人々は、この自分の心の仏に迷うから、
輪廻してやまない。
皆、おおいに無明の中で狂い酔っていて、
みずからの心そのもの、自分そのものを覚ることができないんだ。