danapati’s blog

お坊さんのブログ

山に遊んで仙を慕う詩

大日如来とは誰のことか

そのもとは私の心の中心

仏の身体とことばと心は世界に遍く満ち

この虚空を道場として飾っている

仏は山を筆、海を墨として文字を点じ

天地はその自然のお経を入れる箱である

あらゆる万象はその点画のひとつひとつに含まれ

この世のありさまを巻き物にしたためている

 

遮那は阿誰号ぞ

しゃなはたれがなぞ

本これ我が心王なり

もとこれしんのうなり

三密刹土に遍し

さんみつせつどにあまねし

虚空に道場を厳る

こくうにどうじょうをかざる

山毫溟墨を点ず

さんごうめいぼくをてんず

乾坤は経籍の箱なり

けんこんはけいせきのはこなり

万象を一点に含み

ばんしょうをいってんにふくみ

六塵を縑緗に閲べたり

ろくじんをけんしょうにすべたり

弘法大師『性霊集』