danapati’s blog

お坊さんのブログ

大日経の言葉(超訳)

鏡に映った自分を見て、子供がそれを好きに思い、欲しいと思って鏡を壊して得ようとした。

でも、鏡をこわしてから、どこを探してもそれは出てこなかった。

それを見て知識のある大人は笑う。

これと同じように、

心の鏡に映ったものを取ろうとしても、

映ったものはお客さんのようなもので、

手に入れたような気になっていても、

心の鏡に映ったものは、ひととき自分のところにとどまると、それらはまたどこかへ帰っていく。

ただ心の鏡だけはその家の主人のように、そこにずっと居る。

この鏡を壊しても何も得られないし、

映ったものを取ろうとして、引っ掻いてみても、どうしようもないことである。

この客とのひとときは、この宇宙の中での奇跡的な出会いである。

そのひとときにやるべきことは、客との談笑を楽しみ、交友を深めることであって、相手をつかまえることではない。

子供を笑った大人たちが、それぞれ自分の欲しいものを得ようと求めても、仏はそうじゃないよと優しく笑う。