danapati’s blog

お坊さんのブログ

自分の本心 今日の護摩の話

えー、

こちらの前にある大きいお不動さん。

鬼のように怖い顔ですね。

でも、鬼と違うのは、ツノがないんですね。

(うんうん)

さて、

私たち人間というのは、

日常生活のなかで、他の人にどう思われるかを

非常に気にして生きていると思います。

そして、

周囲とうまくいくために、

基本的には周りの人に親切に優しくすると思います。

しかし、

人に優しくしたからといって、

必ず上手くいくわけでもないことを、

人生で経験すると思います。

(うんうん)

…人に優しくする、

または思い通りに行かず、人に対して怒る。

一見、優しくするのは良いことで、

人に怒るのは悪いことのように見えると思います。

でも、よく考えてみると、

これらはどちらも、

世間のルールや、人の目に合わせて、

そのような行動になっていることが多いのではないでしょうか?

(うんうん)

そんなふうに、

「人に引きずり倒されて生きる」

のに対し、

自分の良心、あるいは本心といってもいいのですが、

その良心、本心に従って生きる幸せを仏教は教えてくれています。

自分の本心はどう感じているのか。

私たちはそれをついつい忘れがちなのですが、

そこで、このお不動さんの出番なんです。

カッと怖い顔で僕らの良心がにらんでくれている。

(胸に手を当てて)

これが、優しいお顔だったら、僕らすぐ大事なことを忘れてしまいます。

修行僧は初め、このお不動さんを一生懸命に拝みます。

また、お葬式でですね、

人がお亡くなりになったら、初七日までは、

このお不動さんがしっかりと導いてくれるように決まってます。

(最初をしっかりやっといたらね、後からは次々優しいお顔の仏さまがでて来てくれますからね)

お不動さんみたいな自分の良心は、みんな気いついてないけど、いつも僕らのことを見てくれてます。

皆さんがお寺をお参りするとき、

あー怖い顔やなあ、優しい顔やなあーって、

仏さんの役割を想像してみてもらえたら、

お参りの楽しみもまたひとつ増えるんではないでしょうか。

今日は「人に引きずり倒されるばかりでなく、自分らの良心・本心に従って生きよう」というお話をしました。

本日の護摩行はこれまで。

お気をつけてお帰りください。

ありがとうございました。