danapati’s blog

お坊さんのブログ

真言宗の利他行とは

今日は原文に近い形で教えを紹介します。

下手に訳すとエッセンスが失われるんよなあ。

原文が訳すことを許さない。

 

自分の身体は仏のしるし。

自分の言葉は真言

心は本尊さん。

この身と口と心は、宇宙全体に行き渡っている。

自分の身・口・心と、仏の身・口・心と、

無限の過去から未来の全ての仏を、印と真言によって我が身に引き入れ、

我れが諸仏の身に入ってゆく。

こうして無始無終の宇宙の功徳はすべて我れに具わることを知る。

さらに一切衆生の身・口・心もそこに融け合っているが、そのことを衆生は誰も知らない。

ゆえに、

真言行者は慈悲を起こし、

身に印を結び、口に真言を唱え、心に仏を念じるとき、

その宇宙全体の功徳は、一切衆生の功徳となる。

これが真言行者の利他の行である。

 

注釈

・身に印(いん)を結ぶ

合掌するなど、手の動きで仏の心を表すこと

真言(しんごん)

真実を表す言葉。仏の言葉。

・本尊(ほんぞん)

私たちの心は本来尊いから、本尊という。それを知らせるため、お寺に木彫りなどで仏像を置き、本尊さんと呼ぶ。

・一切衆生(いっさいしゅじょう)

あらゆる生きとし生けるもの。

・諸仏(しょぶつ)

たくさんの仏さま。例えばこの宇宙には、それをごま粒で埋め尽くすほどの仏さまがおられるという。

・仏さま(ほとけさま)

心がすっきりして、らくーになっている人。

・功徳(くどく)

神仏のご利益、よい行いの報い。

・利他行(りたぎょう)

他人のご利益を増すこと。自分の修行を自利、人の修行を進ませることを利他という。

・ご利益(ごりやく)

ご利益とは修行が進むこと。またそのためのインフラが整うこと。世間の利益のことだけではない。