頭脳は何かを処理したがるようにできています。
処理するには対象が必要です。
そうだとすると、脳はいつも自分の方から問題を探していることになります。
そう言われると納得しませんか?
あなたが何かの処理に取り組もうとしたとき対象が生まれます。
仏教の空とは、対象化しないことです。
取り組む対象を、対象としない。
その間、頭脳は仕事から解放されて回復します。
回復するどころか永久に救われる。そんな境地があるんだよ。
それが仏教の言わんとするところです。
物理的に救われるという意味とは違いますが、仏教は心理的な面の救済をその目的としているんです。
その心の救済によって救われた私たちが、今度は物理的に自分たちを救うんです。
こうして物心両面で救われるわけです。
仏に与えられたこの心身で自他ともに救われるのがこの世に生まれてきた理由です。
お葬式で唱えているのはマジカルな呪文じゃないんです。
中国語やインド語を、翻訳せずにそのまま唱えているから、一般にはなにやらよく分からない呪文のように思われていますが、
本当のところ、聞いている人たちの心が救われる上記のような教えを中国語(漢文)やインド語で唱えているんですね。