danapati’s blog

お坊さんのブログ

世界宗教の開祖は失敗のスケールもでかい?

今日はお釈迦さまの失敗について。

お釈迦さんは、この身は不浄に満ちていて、厭い離れるべきものだと弟子たちに言いました。

そして、弟子たちに亡くなった人の身体が腐っていく様を想像してみるように言いました。
さて、弟子たちは一生懸命、言いつけを守って頑張っていたので、
お釈迦さんは安心して、長い期間、自分の瞑想のため森の深くに入りました。
そんなお釈迦さんがいないうちに事件は起こりました。

ミガランディカという弟子の1人が、
「不浄に満ちた身体から離れるなら、○ねばいいんじゃない?」
と考え、
大勢の弟子たちに、「僕が君たちを救ってあげよう」と、
刀で希望者を切り○し始めたのです。
なんて馬鹿げたことを、、、
と思われるかもしれません。
びっくりして僕もそう思いました。
しかし、本気で修行に取り組んでいた弟子たちのこと…
ミガランディカの誘いに、我も我もと乗ってしまったのです。
さて、お釈迦さんは、久しぶりに皆のところへ戻ってきました。
すると変に違和感を感じます。
お釈迦さんの違和感は、やけに弟子の数が少ないせいでした。
事情を聞いたお釈迦さんは、
皆を叱りつけ、
この時、初めて、
「殺生戒」という戒律が定められたそうです。
そして、身体の不浄を観察するだけでなく、
そういう時は、落ち着くように、
「数息観(すそくかん)」という、呼吸を数える瞑想も併せてするよう教えたのでした…

さて、いかがだったでしょうか?
今、新興の宗教教団で、このような大勢が亡くなる事件が起きたら、どうでしょうか?
そう思うと、この事件、リアルに感じられてきませんか?
お釈迦さんは決して、全知全能でもなく、未来予知ができるわけでもなく、
1人の人間として、多くの失敗を重ねて、40年間の布教活動をされました。
ライバルの策略で、
「お釈迦さんの子供を妊娠した!」
と女性に言われたことや、
恨まれて何度も命を狙われたりと、
ほんとに苦労の連続だったそうです。

仏教、今に伝わって、ありがとう!