danapati’s blog

お坊さんのブログ

抗がん剤と風邪薬

弘法大師とかけまして、

医療の総合デパートと解く。

その心は?

弘法大師は「病にさまざまな種類があるから、

薬や鍼灸にも沢山の種類がある」と言っています。

これは宗教も含めての例え話なんです。

例えば、抗がん剤さんと風邪薬くんが、

喧嘩をしていたとしましょう。

どちらも適切に処方されれば、人を救う貴重な薬なのは間違いありません。

ところが、薬というのは別面では毒だったりするわけで。

それなのに、二人はどちらも自分は万能なんだと思い込み、譲りません。

さて、

風邪を引いた人に抗がん剤さんを投与し、

ガンの人に風邪薬くんを投与すると、どうなるでしょう?

これは投与される側の気持ちになると、

すぐ分かりますね。

このようなわけで、

漢方薬もあるし、風邪薬、抗がん剤、外科手術、AEDなどがあって、種々のケースに対応できるのと同じように、

世界にはさまざまな教えがあるけども、

その目的はいずれも健康を目指している。

薬によってどうしても出番の多い、少ないはありますが、

それぞれに役割があるのだから、

互いに長所を競い、短所を責めてケンカするようなものではない。

これは、宗教だけではなく、

人同士のコミュニケーションにも応用できる考え方ではないでしょうか。