danapati’s blog

お坊さんのブログ

金山穆韶(ぼくしょう)師「弘法大師の信仰観」

今、金山穆韶(ぼくしょう)というお坊さんの「弘法大師の信仰観」という本を読んでいます。

要を得ているので、少し要約して書き出しますね。

真言宗の修行は本尊さんの「身と口と心」が自分の「身と口と心」と「一つ」であることを体得することである。

その「一つ」とは、すべてが混ざり合って一つになって輝く満月の「ような」心でいることである。

そこでは「我が我が」の心は忘れ去られ、

ただただ満月の光を浴びて無心になっているようである。

こうして、私は我が我がの気持ちがおさまるにつれ、

返って願いが奇跡のように叶ったり、深い感謝の喜びを知るようになったのである。

 

【以下、原文】

真言宗の修行は本尊の三密を行ずるを要(かなめ)とする。
ことに、心、三昧に住することが修道の基である。

その三昧に住するとは月輪観に住することである。

私は満月輪の好相を感見して以来、身心を空にして月輪観に住しおらるるようになり、その月輪観において如来の威神力の真実性を体するようになった。