以前、夜にバス停で声を上げて大泣きしているブロンドの女性を見かけました。
どうしたことかと思って声をかけると、アメリカから留学に来たのだが、家に帰りたいのだと言うのです。
しばらく話を聞いていると、彼女は落ち着いてくれました。
つまり、ホームシックということだったのですが、「身も世も無く泣く」とはこういうことかと、それはとても印象的な出来事でした。
この時、僕は強烈に日本人との違いを感じたのでした。
そして、すぐ泣くのはその人だけではなく、他の外国の友人たちも、泣くことにブレーキをかけてないことに気づきました。
僕は以下のように思います。
悲しみの感情がなぜあるか。
元気だけではなぜいけないか。
それは、
きちんと悲しむことで、
きちんと泣くことで、
人は底の底から立ち直れるからです。
悲しみはネガティブな悪いことばかりではありません。
人生の過酷さに対する生物としての適応の一つです。
泣くのを我慢してはいけません。
でも一つ条件があります。
あまりに追い詰められた人は、
安心・安全な場所がないと、泣けないんです。
助けがない状況では動物的本能で、泣いてる場合じゃないってなってしまうんです。
心の底から立ち直るには安心・安全な場が必要です。
もし、あなたが人に対して泣くことを止めたくなる気持ちがあったとしたら、
一番泣きたいのはあなたなのかもしれません。
大事なことなので、もう一度言います。
泣くのは必要なんです。
泣いてはいけない場があるとしたら、
そこには安心・安全がないんです。
ストレスを「落とす」には震えること。
動物は大きすぎるストレスに出会い、
もうその危機が去っていくと、
体を震わせて、その体験がトラウマにならないように「振るい落とし」ます。
心が震える体験をしてください。
身を震わせてください。
それはあなたの「強み」なんです。
生きる力はあなたに備わっています。
そして、安心・安全とはそんな大層な話ではありません。
泣きたい人の話を、
否定、批判、アドバイスをせず話を聞くことで、その場は安心・安全な場所になります。